2026年3月18日
旧香川県立体育館の解体をめぐる問題について、再生委員会は原告という立場にとどまらず、一県民としての責任から記者会見を実施いたしました。本稿では、その要旨を整理し公表いたします。
現在、県は耐震性やアスベストに関する十分な調査記録を開示しないまま、住民説明会(3月20日)および3月25日頃の解体工事着工を予定しています。また、第三者による監理体制も整備されていない状況です。
こうした中、当委員会は2026年3月17日、アスベストに関する法令(大気汚染防止法および石綿障害予防規則)違反の疑義について、労働基準監督署および高松市環境指導課へ通報したことを公表いたしました。

関連資料ダウンロード:
旧香川県立体育館 解体工事におけるアスベスト調査について(PDF形式:800KB)
資料1:アスベストの追加調査が必要な範囲図(PDF形式:672MB)*1
資料2:解体設計業務図書・仕上げ表の正誤(PDF形式:2.9MB)*2
*1) 2026年3月3日の現地進捗協議の内見。過去の写真データおよび図面との照合にて確認。
*2) 現場手帳提供者:岡本建築設計事務所 所員(当時)俣野義治。県発行物にて県所有を確認 香川県立ミュージアム調査報告書 第13号 令和4年3月 「室蘭工業大学所蔵 旧香川県立体育館設計図について」 引用(9)
■ アスベスト調査および設計図書の重大な不備
これまでの内部視察や資料分析の結果、以下の問題が明らかになっています。
アスベスト含有の可能性が高い建材が、仕上表に記載されないまま入札が実施された疑い
不記載・誤記は48室中19室に及ぶ
縁梁(外周部)など広範囲にわたり、アスベスト含有の可能性がある補修材が使用されている記録が存在
過去の施工記録(現場手帳)には、アスベストを含む材料使用の記載が確認されている
また、当時の建築仕様から判断しても、「含有している可能性を前提に扱うべき材料」が複数確認されており、本来必要な調査・記載が不十分であると考えられます。
■ 工事工程および管理体制への懸念
県が提示した工程表では、着工と同時に内装材撤去が予定されており、現時点で十分な調査・情報開示がなされていない中での工事進行が懸念されます。
さらに、第三者による監理機能が不在であることから、設計図書の不備や現場との不整合が十分にチェックされない体制となっています。
■ なぜ今、公表に至ったのか
当委員会はこれまで、対話を重視し、公表を控えてきました。しかし、
解体工事の着工が目前に迫っていること
裁判における資料開示が着工後になる見込みであること
内装撤去が先行し、証拠が失われる可能性があること
などを踏まえ、将来に対する責任から今回の公表に踏み切りました。
■ 本件の本質と求める対応
本件は単なる解体工事の是非ではなく、
法令遵守の問題
公共工事における設計・監理の適正性
税金の使途の透明性
近隣住民および作業従事者の安全確保
といった、公共性の根幹に関わる問題です。
現行制度上、通報のみで工事を即時停止させる強制力は限定的ですが、だからこそ今、一度立ち止まり、事実関係の精査と適切な手続きを行うことが不可欠であると考えます。
当委員会は、解体の是非に関わらず、十分な調査と説明責任が果たされることを強く求めるとともに、引き続き社会に対して問題提起を行ってまいります。

旧香川県立体育館再生委員会 委員長コメント(要旨)
旧香川県立体育館をめぐる問題について、私たちは原告としてではなく、再生委員会、そして一県民の立場から記者会見を行いました。本稿では、報道に十分に反映されなかった内容も含め、その要旨を公表いたします。
初公判を経た現在においても、県による誠意ある対応は見られず、耐震性能に加え、アスベストに関する調査記録についても十分な情報開示がなされていません。報道機関に対しても「係争中」を理由に情報提供が限定され、状況は閉ざされたままとなっています。
こうした中、県が3月20日に住民説明会を開催し、同月下旬の工事着工の意向を示したことを受け、当委員会は3月17日、アスベストに関する法令(大気汚染防止法および石綿障害予防規則)違反の疑いについて、労働基準監督署および高松市環境指導課へ報告を行いました。
これまでに把握している事実として、アスベスト含有建材が仕上表に記載されないまま入札が行われた可能性があります。不記載・誤記は、48室中19室に及び、さらに縁梁全体など広範囲(少なくとも1,500㎡超)にわたると推定されます。
また、県が示した工程表では、着工直後に内装材の撤去が予定されており、第三者による監理機能も十分とは言えない現体制のもとでは、問題が見過ごされる懸念も否定できません。これらの状況から、監督および設計の不備、さらには組織的な問題の可能性についても強い危機感を抱いています。
本来であれば、裁判を通じた解決を優先すべきとの判断から公表を控えてきましたが、着工が目前に迫る中、将来に対する責任を踏まえ、今回の公表に至りました。
私たちは、まず解体工事の一時停止を求め、立ち止まって検証する機会が確保されることを強く望みます。
なお、会見直後には、当該誤記を指摘した設計事務所と県が監理業務の契約を締結したとの報道もありました。「係争中」という理由で情報が制限される中、その在り方についても疑問が残ります。
本件は、単なる施設の問題にとどまらず、公的資金の使い方や行政の透明性のあり方が問われるものです。県民の皆様とともに、この問題を考えていきたいと考えています。








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