解体工事の停止について - プレスリリース 2026/09/03

このたび、旧香川県立体育館をめぐる住民訴訟において、以前より原告側が申し立てておりました「証拠保全」について大きな進展がありましたので、ご報告申し上げます。

2026年7月15日の進行協議期日において、高松地方裁判所から、旧香川県立体育館の耐震性能を鑑定するための現地調査【証拠保全】の必要性について言及があり、9月15日から「解体工事の停止」及び原告側による現地調査を実施することとなりました。 7月中旬の「証拠保全」の要請後、期間・方法の調整、さらには、県による検討・承認等の必要な手続を経て、8月31日承認。本日ようやく公表に至ることができました。

今回の証拠保全では、旧香川県立体育館の耐震性能を正確に「鑑定」するための地盤構成、コンクリート強度等のデータを取得します。その後、得られた調査結果をもとに、専門家による耐震性の鑑定へと進む予定です。

戦後モダニズム公共建築の保存をめぐる住民訴訟において事実上の「証拠保全」発出の事例は、公開資料の範囲では先例を確認できず、極めて異例であると考えております。我々は県の耐震性能の評価方法や判断過程に重大な疑義があることを指摘してきました。今回、客観的・科学的に検証する機会が司法判断として確保されたことには、大きな意義があると受け止めています。

しかしながら、今回認められた現地調査の期間は10月14日までであり、その後の2,3か月所要する「鑑定」期間(法的に設定できず)については、建物の現状維持が確保されているわけではなく、鑑定結果が明らかになる前に、現地調査終了後の10月14日以降、解体工事が再開される可能性が高いと推測できます。

耐震性能の客観的な検証と、10億円に近い公金の支出の価値再考の機会が確保されたにもかかわらず、その鑑定結果が示される前に建物そのものが失われてしまう可能性がありますが、私たちは、この機会を最後まで大切にし、事実を明らかにしていく所存です。

「旧香川県立体育館」は、日本の戦後建築史を考える上でも重要な文化資産あり、その建物が本当に解体されなければならない状態にあるのか。そして、科学的な検証結果が示される前に、不可逆的な解体を進めることが適切なのか。 そして、専門分野とは言え、何度も直接問いかけてきた明らかな「耐震診断書」の読み違えを司法の場で検証していかなくてはならなかったのか。

いま改めて、そして最後に、社会全体で考えるべき機会を与えて頂いたと考えております。

皆様におかれましては、旧香川県立体育館をめぐる現在の状況と、今回の証拠保全の持つ意味、そして民意と司法に対し行政がどう向き合うべきかを再考して頂けるよう、心よりお願い申し上げます。

旧香川県立体育館再生委員会:長田慶太

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