旧香川県立体育館をめぐる県教育委員会の説明についての声明
― 解体中断、証拠保全及び耐震性能に関する事実関係の整理 ―
旧香川県立体育館をめぐり、現在、県議会の文教厚生委員会において、住民訴訟や解体工事の中断、証拠保全の手続き等について質疑が行われています。その中で、県教育委員会から県議会及び県民に対して説明がなされていますが、解体中断に至った経緯や証拠保全の取り下げ、解体工事再開についての協議内容、さらに耐震性能に関する新たな指摘について、私たち旧香川県立体育館再生委員会の認識とは異なる説明がなされています。
これらは、今後の旧香川県立体育館の取り扱いを考える上で、重要な事実関係です。特に、解体中断が証拠保全とどのような関係にあったのか、現地調査の実施について何が合意され、何が合意されていないのか、そして平成24年耐震診断書について現在どのような新たな論点が示されているのかについては、県議会での議論や県民の判断にも関わる重要な事項であると考えています。そこで、旧香川県立体育館再生委員会として、これまでの経緯と現在の認識を整理し、事実関係を正確に共有するため、以下のとおり見解を公表いたします。
以下、プレスリリース本文
請願書の提出を受け、現在、文教厚生委員会において行われている質疑の中で、旧香川県立体育館をめぐる住民訴訟等について、県教育委員会から県議会、ひいては県民に対して説明がなされています。
これらの説明について、再生委員会の認識と異なる部分があるため、事実関係を正確にお伝えするため、以下のとおり見解を公表いたします。
■解体中断の経緯及び証拠保全の取り下げに係る説明について
解体中断の経緯について、「証拠保全の手続きとは別に、裁判所から、(略)提案があったことを受け」などと、証拠保全とは無関係に解体中断の提案がなされたかのような説明がなされていますが、このような説明は大きな誤解を生むものであると考えています。
今回の解体中断は、原告による証拠保全の申し立てについて、裁判所から証拠保全の必要性があるという見解が示されたことを受けて、証拠保全の代替措置として要請がなされたものです。
証拠保全決定によると調査開始まで時間を要することから、迅速性を優先するため、決定ではなく裁判所からの要請という形式となったものの、原告が申し立てにおいて求めていた現地調査が実現し、事実上、証拠保全の目的が達成されることなりました。
以上の経緯により、証拠保全の申立てを維持する必要がなくなったことから、被告の要望があったことも踏まえ、証拠保全の申立ては取り下げています。
したがって、今回の解体中断が証拠保全と無関係であるかのような説明や、「取り下げ」という事実のみをもって、証拠保全に理由がなかったかのように受け取られる説明は、実際の経緯を正確に表すものではないと考えています。
■ 解体工事再開について「三者間の合意」があるかのような説明について
1か月という中断期間についての合意は、あくまでも証拠保全に相当する現地調査を実施するための中断期間に関する合意です。
これはあくまで「現地調査」の実施に関する協議であり、調査終了後の解体工事再開そのものに合意があったものではありません。
また、裁判所も、調査期間終了後、鑑定完了までの期間については、証拠保全の手続きにおいては解体中断を要請することはできないという認識を示しているにとどまり、解体再開を積極的に容認しているものではなく、現地調査をもとにした鑑定の早期実施の必要性を強調している状況です。現在も、鑑定の早期実施へ向けて協議が進められています。
この点について「三者間で解体再開について合意した」と受け取られ得る説明がなされているのであれば、当委員会の認識とは明確に異なります。
現在も解体に関する請願書が県議会に提出されている状況を踏まえても、原告側が解体再開を容認・合意しているかのような印象を県議会及び県民に与える表現については、極めて遺憾です。
■ 耐震性能(平成24年耐震診断書)の取扱いについて
先のリリースでもお伝えしたとおり、直近の進行協議において、専門委員から平成24年耐震診断書における「F値の修正ミス及び指針との整合性に関する重大な指摘」がなされています。
これは、旧香川県立体育館の耐震性能を考える上で極めて重要な事項であり、県議会がこれまで判断してきた時点には示されていなかった「新たな前提」となり得るものです。
それにもかかわらず、今回の委員会質疑において、この重要な事実が十分に報告されないまま従来の耐震性能に関する説明がなされていることについて、私たちは大変遺憾に感じています。
●以上を踏まえ、裁判所からの証拠保全に係る「現地調査」要請を県側が受け入れた際に発行された「唯一の書面」を、併せて添付いたします。
この書面からも、協議の対象はあくまで「現地調査」の実施であったと認識しており、少なくとも私たちは、調査終了後の解体工事再開について「合意」した事実はありません。
原状の県教育委員会からの説明からは、解体再開の支障となりうる事実が不自然に除去されているものと感じます。このような一方的な説明では、現状の正確な認識に基づく適正な議論は期待できません。
県議会における審議、そして県民への説明においては、司法手続の経緯や現在明らかになっている耐震性能上の論点を含め、事実関係が正確かつ公平に伝えられることを強く望みます。
旧香川県立体育館再生委員会 委員長 長田慶太
香川県総務部営繕課
2026年9月2日
